『カナダの至宝：NICKELBACK：
　“SILVER SIDE UP”特集』。

2001年9月11日。アメリカ同時多発テロのその日にリリース
されたニッケルバックのアルバム『SILVER SIDE UP』。
その後、アメリカでは10カ月以上TOP10に居座って、
結局1200万枚以上の売上を記録しました。
悲劇に打ちのめされたアメリカを支えた、そんなアルバムです。

M．  NEVER AGAIN  /  NICKELBACK 　 

1曲目にお送りしたのは、2001年のニッケルバックの
大ヒット作『SILVER SIDE UP』から、
ナンバー1ヒットシングル「NEVER AGAIN」です。
ハードなエッジの曲ですが、ちゃんとメロディアス。そして、
歌詞はＤＶ：家庭内暴力のコトをリアルに表現しています。
理想論でない、アメリカ・カナダの持つリアルな現状を歌って
いるからこそ、これだけの若者の支持を得ているんでしょうね。

M． TOO BAD  /  NICKELBACK　　                           

さて、次にお送りしたのは、2001年のニッケルバックの
大ヒット作『SILVER SIDE UP』から、
こちらもナンバー１ヒットシングル「TOO BAD」です。

重たいイントロ、Ａメロから始まって、でもサビでは思いっきり解放！
という、定石通りのナンバーですが、いやー、やっぱりいいですね。
この声。タイトなバンドサウンド。見事です。
そして、こちらも歌詞は、貧しい家庭の救われない現状を歌っています。
2001年．アメリカが最も暗かったその時に、
偶然にもシンクロした感じですよね。

さてさて、ニッケルバック。
1996年．カナダのバンクーバーで結成されました。
ちなみに、このニッケルバックというバンド名の由来、ですが、
当時バンドメンバーがスターバックスでバイトをしていて、
いつもレジで『5セントのお返しです！（ニッケル・バック）』
って言い続けていたことから来ているみたい。
５セントのコトをニッケル、って言うんですね。

結成後、バンドは自費制作でＥＰを制作。
そして、フルアルバム『カーブ』、１９９９年にはアルバム
『THE STATE』をカナダでリリースします。

この『THE STATE』が、まずカナダで大ヒット！
その後、２０００年にはアメリカでこのアルバムをリリースすると、
ラジオで頻繁にＯＡされるようになって、じわじわと売れ始めました。
アメリカツアーも、超ハードに行います。

クリード、ストーン・テンプル・パイロッツ、キッス、インキュバス
なんかとツアーを２００カ所以上まわって、
その“飾らない男気あふれるロックショー”が
口コミでどんどん広がっていきます。

結局、アメリカデビュー作『THE STATE』は３０万枚をこえる
スマッシュヒットに！
さぁ、今度はレコード会社からの予算もあるし、思う存分納得できる
作品を作るぞ！ということで、２００１年にスタジオ入りして
制作されたのが、この『SILVER SIDE UP』なんですね。

M．WHERE DO I HIDE  /  NICKELBACK　 

次にお送りしたのは、2001年のニッケルバックの大ヒット作
『SILVER SIDE UP』から、「WHERE DO I HIDE」です。

ほんと、ギターの音が素晴らしいですよね。
左右の壁のようなディスト―ションギターですが、本当に心地いい、
うるさくない、完璧！なロックサウンドです。

そして、この曲の歌詞も実に暗いです。
メンバーの友人が、１８歳で刑務所の中で死んでしまった、という
悲しい現実を歌っています。
ロックスターたちが、現実離れしたセレブ生活を送って“にせもの”の
リアルを歌うことに飽き飽きしていた若者にとって、
この骨太な彼らのメッセージは強く心に響いたんでしょうね。

チャド・クルーガーのボーカルも、強さと切なさを兼ね備えていて、
本当に魅力的です！

さてさて、かなり追い風の中、２００１年に完成したアルバム
『SILVER SIDE UP』。
リリース日は、９月１１日。まさにアメリカ同時多発テロのその日、
でした。

アメリカの歴史上最も暗い１日にリリースされたこのアルバム。

当日には、NICKELBACKのLIVEも行われました。
“辛すぎたけど、ほんの数分だけでもみんなの気を紛らせたかった”
とメンバーは語っています。

そして、アルバムは初登場２位。

そして、シングル『HOW YOU REMIND ME』は、
４週連続１位。当時、アメリカだけで４２万回もラジオでＯＡされる、
という爆発的なヒットとなりました。

M．HOW YOU REMIND ME  /  NICKELBACK　

次にお送りしたのは、2001年のニッケルバックの大ヒット作
『SILVER SIDE UP』から、彼らの運命を変えた大名曲。

全米チャートで４週連続１位。
２００１年、同時多発テロ後のアメリカを力づけた１曲。
そして、もちろん本国カナダでも１位。ヨーロッパでも、
アジア各国でも大ヒットとなりました。
なぜ、ここまでの曲が、ここ日本では大きな存在にならなかったのか、
不思議です。ちゃんとプロモーションしてなかったんでしょうか？

さてさて、このシングルの大ヒットもあって、NICKELBACKは、
世界で最もビッグなバンドの一つになりました。
セールスは、アメリカだけでも６００万枚オーバー。イギリスでは１位！
16か国でプラチナアルバムになって、世界では１２００万枚オーバー！

と、２１世紀としては桁外れの売り上げも記録しました。
グラミー賞各賞にもノミネート！カナダのジュノー賞も多数受賞！

と、それまで“パール・ジャムっぽい！”とか、“ブッシュっぽい”！
とか言われていたカナダのローカルバンドは完全にメインストリーム
になって、“NICKELBACKっぽい！”バンドが、
軒並みデビューするという現象にもなりました。

結果、これだけ骨太な歌詞とサウンドのバンドが
“売れ線！”とか“産業ロック！”なんて批判されて
いくわけですが・・・まぁ、完全にやっかみですよね。

このアルバム後も定期的にアルバムをリリース。
全て大ヒットさせて、ツアーも大成功！
本当にビッグネームとして君臨しています。

ただ、ここ日本での知名度は本当にイマイチですよね。
聴かず嫌い、素通りはもったいない！
ぜひ、一度チェックしてみてください！

M．GOOD TIMES GONE  /  NICKELBACK