ジョニー・ウィンター “セカンドウィンター”特集
2011-11-07
『100万ドルのブルースギタリスト:
ジョニー・ウィンター “セカンドウィンター”特集』
M. JOHNNY B.GOODE / JOHNNY WINTER
1曲目にお送りしたのは、1969年のジョニー・ウィンターの
セカンドアルバム『セカンド・ウィンター』から、超有名曲。
チャックベリーのカバーですね。「ジョニー・B・グッド」です。
ジョニー・ウィンターがジョニー・B・グッド。ピッタリですよね!
そして、よくあの華奢な体からこの強いボーカルと
ギターが出てきますよね。すげぇ。
ギターのサウンドも、ハードなドライブでカッコいい!
M.Memory Pain / JOHNNY WINTER
さて、次にお送りしたのは、1969年のジョニー・ウィンターの
セカンドアルバム『セカンド・ウィンター』から、
アルバムのオープニングナンバー
「MEMORY PAIN~暗い苦しみの思い出~」です。
ホント、弾きまくり!です。
フレーズの多彩さは、同業のギタリストも舌を巻くほどで、
ジョニーが知らないブルース・フレーズはない!とも言われるほど、
でした。
さてさて、ジョニー・ウィンター。
1944年。テキサス生まれ。現在67歳です。
弟:エドガー・ウィンターと共に、2人ともアルビノ。
そのため、視力も極端にわるくて、アメリカの法律上は盲目とされて、
車の運転も出来ないんだそうです。
もちろん、学校でも特殊なクラス。
そんな苦しい中で、幼少時代のジョニーが夢中になったのが音楽、
でした。クラリネットから始まって、ウクレレになって、
そしてついにギターに目覚めます。
両親も、病気に苦しむジョニーが、あれだけ情熱をもって取り組んでる!
ということに感動して、しっかりと音楽活動をサポートします。
ジョニー自身も、昼飯代とかお小遣いは全てブルースのレコードに
使っていた!というほどの夢中ぶり。
もちろん、実力もメキメキUPします。
15歳のときには、初のバンドが地元のラジオ局のコンテストで
優勝して、地元レーベルからレコードデビュー。
黒人クラブに入り浸っては、ブルースのレジェンドたちから
ギターの手ほどきまで受けていた、そうですから、
本当に環境も恵まれていたんですよね。
B.B.キングのステージに飛び入りして、
大喝采をうけることもあったそうです。
M.HIGHWAY 61 REVISITED
/ JOHNNY WINTER
さて、お送りしたのは、1969年のジョニー・ウィンターの
セカンドアルバム『セカンド・ウィンター』から、
ボブ・ディランの名曲のカバーで、アルバムからのヒットソング
「追憶のハイウェイ61」です。
ボブ・ディランのオリジナルも名曲!以前に特集しましたよね!
多少グダグダなディランのギターの後ろで、あの!
スーパーブルースギタリスト:マイク・ブルームフィールドが
弾きまくる!という曲ですが、
このジョニー・ウィンター・ヴァージョンでは、
ボーカルもリードギターもジョニー。
よく歌いながらここまでのギター弾けますよね。。。
あのマディ・ウォーターズをして、“ジョニーは義理の息子”
というほど、愛され、信頼されたギタープレイは本当に素晴らしいです。
黒人、ということで差別されたミュージシャン。
そして、アルビノ、ということで、保守的な南部で“白すぎる”
ことで差別されたミュージシャン。
共通の“ブルース”がそこにはあったんでしょうね。
さてさて、さっきの話の続き。
10代のころから、地元で大きな評価を得ていたジョニー・ウィンター。
1960年代後半。そんな彼に転機が訪れます。
世の中のヒット音楽が変化し始めて、
ブルース・ロックがメインストリームになっていったんですね。
それまで、“ブルースじゃ食えない”とまで言われていたハズなのに、
クラプトンのいたクリーム。そして、ジミ・ヘンドリックス、
初期フリートウッド・マックなど、ブルースを基本にしたアーティストが
一気にスターダムをかけあがります。
そんな中、ローリング・ストーン誌のテキサス特集で、
まだ地元以外では無名のジョニー・ウィンターがピックアップされて
次世代の注目のアーティスト!となると、
やり手のマネージャーが彼の担当となって、コロムビアレコードと
とんでもない高額の契約を取り付けます。
ツェッペリンをはるかに超える契約金100万ドル!!
<本当は30万ドルだったそうですが>でレコード契約。
100万ドルのブルースギタリスト!というキャッチコピーと共に、
一気に有名ギタリストとなっていきます。
M.Miss Ann / JOHNNY WINTER
100万ドルのブルースギタリスト!として1969年に遂にデビュー
したジョニー・ウィンター。
ウッドストックなんかにも出演して、ミュージシャンたちから
高い評価を得ます。
クラプトンも、ジョニーのブルースプレイに大きな影響を受けて、
明らかにフレージング、スライドプレイなんかが変わっていきます。
が・・・
実は、オリジナルアルバム自体はなかなか売れないんですね。
売れるのはLIVEアルバムばかり。
その評価を追い使い影響か、自身もドラッグ中毒に陥って、
一時期はギターも持てないほどに弱弱しくなっていきます。
このアルバム『セカンド・ウィンター』も、強力で革新的な
ブルース・ロックサウンドでクリームやジミヘンと凌ぐほどの名盤、
なんて今では言われていますが、当時は商業的に成功した、
とはいえません。
でも、その凄み、は未だ色褪せません。
M.FIRST LIFE RIDER / JOHNNY WINTER