J.D.サウザー “YOU'RE ONLY LONELY”

2011-11-11


J.D.

『ウェストコーストロック:影の立役者
 J.D.サウザー“YOURE ONLY LONELY”特集』

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  FIFTEEN BUCKS  /  J.D.SOUTHER  

1曲目にお送りしたのは、1979年のJ.D.サウザーのアルバム
YOURE ONLY LONELY』から、FIFTEEN BUCKSです。

レコーディングに参加したバンドのメンバー全員の名前がクレジット
された、まさにジャムりながら作ったような曲。
でも、バンドのグルーヴはさすが!ですね。
アルバムには、こんなラフな曲から、完全に作りこんだ名バラードまで
いろいろな楽曲が入っています。

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’TIL THE BARS BURN DOWN /  J.D.SOUTHER

さて、次にお送りしたのは、
1979年のJ.D.サウザーのアルバムYOURE ONLY LONELY』から、
「'TIL THE BARS BURN DOWN 」です。

イーグルスのグレン・フライとの共作。
イーグルスのアルバムに入っていてもおかしくない
ハードドライヴィングでノリノリの楽曲ですよね。

さてさて、J.D.サウザー。
1945年.アメリカ・デトロイト生まれ。現在66歳です。

幼い頃から、ロック、カントリー、フォークにのめり込んだ彼は、
とにかくカリフォルニアに憧れて、20歳になろうか、という頃に
ロスアンジェルスに移住します。

そこでプロミュージシャンになるべく、積極的に活動しますが、
そんな中、彼の人生を変える才能豊かな男に出会います。

それが、グレン・フライ。

あのイーグルスのソングライターで、シンガー、ギタリストの
グレン・フライです。
どうやら、JDサウザー当時付き合っていた女性の妹と付き合っていた
のがグレン・フライ
だったそうで、しかも、グレン・フライも
同郷のデトロイト出身だったこともあって、
一気に仲良し!になります。

しかも、同じ時期にその女の子たちにフラれたそうで、
より男同士の友情は深くなります()

1968年。
J.D.サウザーとグレン・フライ、という稀有な才能の持ち主は、
ロングブランチ・ペニーウィッスルというグループを結成して、
翌年、
遂にアルバムでデビューすることになります。

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YOU’RE ONLY LONELY  /  J.D.SOUTHER 

さて、次にお送りしたのは、
1979年のJ.D.サウザーのアルバム
YOURE ONLY LONELY』からのタイトルトラック。

当時、全米7位を記録した彼の最大のヒット!
ロイ・オービソンを思わせるような、ロマンティックなナンバーです。
J.D.サウザーの名前は知らなくても、この曲はきっとラジオだったり、
TVだったりで聴いたことあるんじゃないでしょうか?

さて、さっきの話の続き、です。

1969年に、あのグレン・フライとのコンビでアルバムデビュー
したJ.D.サウザー。
ただ、そのアルバムは全く話題にならず、
すぐにコンビも解散となってしまいました。

ただ、まだまだチャンスは来る!とポジティブに活動していた彼ら。
当時はお金がないので、アパートの部屋をシェアしていたみたい
なんですが、その
メンバーは、J.D.サウザー、グレン・フライ、
そしてあのジャクソン・ブラウン!
<イーグルスの“TAKE IT EASY”の作者!>
まさに、ウェストコーストロックの“トキワ荘!”
そんな、物凄い才能の中で、夢を語っていたそうです。

そして転機が訪れます。

リンダ・ロンシュタットのバック・バンドにグレン・フライが
起用されて、
それをきっかけにイーグルス、
というバンドが結成されるんです。1971年のこと。

そのイーグルスのたぐいまれな才能が、音楽界に轟き始めると、
そのイーグルスと行動を共にしていた天才たち!
ということで、ジャクソン・ブラウン&J.D.サウザーにもチャンスが
訪れます。

イーグルスも、ジャクソン・ブラウンもJ.D.サウザーも、
同じアサイラムレコードから
デビュー!
ウェストコーストロックのシーンを作っていくわけです。

ただ、スター街道を驀進するイーグルスと比べて、J.D.サウザーの
活動は
実に地味、でした。アルバムは対して売れず、
グループを結成してもイマイチヒットせず・・・。

ただ、彼のソングライターとしての才能は誰もが認めるところ!
イーグルスの数多のヒット曲、当時付き合っていた!という
リンダ・ロンシュタットの
ナンバーも多数手掛けて、
“影の立役者”として音楽業界で活躍。

そして、イーグルスが音楽の歴史を変えるほどのビッグセールスを
記録し続けていく中で、
地味ながらも“結構な額”の印税を受け取って、
【特に頑張らなくても大丈夫・・・】という素敵なライフスタイル
になっていきます。

だから、J.D.サウザーが残したオリジナル音源は本当にわずか。
なんですね。

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THE LAST IN LOVE  /  J.D.SOUTHER  

さて、次にお送りしたのは、
1979年のJ.D.サウザーのアルバム
YOURE ONLY LONELY』から、「THE LAST IN LOVE」です。

これ、実はアルバムで一番の名曲!!だと思っています。
グレン・フライとの共作で、メロディーが完璧!
美しすぎ!切なすぎ!最高です!



さてさて、そんな寡作、なJ.D.サウザー。
そんな彼の作品で、最も商業的に成功したのが、
この『YOU
RE ONLY LONELY』です。

その楽曲の素晴らしさ、魅力的な歌声。
そして髭もじゃでクールなルックス。
白いシャツに黒ネクタイ、というシンプルな姿で立つカッコいい
ジャケット。

タイトルトラックのヒットもあって、アルバムはスマッシュヒット
しています。
ただ、その後のJ.D.サウザーの活動も実に地味。

1981年にジェイムス・テイラーとのデュエットでちょっとヒットが
あったり、
1984年にアルバムを出したりしますが、
その後は実に25年間も音源リリースなし!

2008年にやーーーーっと復活のアルバムを出して、
来日公演も行いました。

ちなみに、今年の6月には【ナチュラル・ヒストリー】というアルバムを
リリースして、このアルバムからの『YOURE ONLY LONELY』とか、
彼が作曲に参加したイーグルスの名曲“The Best of my love”とか
New Kid in town”とかをセルフカバーして、
素晴らしい歌声を聴かせてくれています。

66
歳。

ですが、ここからのJ.D.サウザーの活躍が更に楽しみですね。

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WHITE RHYTHM AND BLUES/ J.D.SOUTHER