世界文化遺産推薦!秋の鎌倉探訪…。~前篇~|旅人:棚橋麻衣

2011-11-18



ヤジキタの作家Yさんから、1本の電話。
「棚橋ー、ヤジキタ決まったから。よろしくね!」
本当にぃ!?やったー!!!


というわけで、旅人の棚橋麻衣です。


実は私、数年前に、ヤジキタの特番にゲスト出演させて頂いたことがあって、
”いいなー、私もこの番組で旅がしたいなー”
と思っていたものですから、Yさんの電話に大喜びしたわけです。
しかも、旅先が【鎌倉】と来たもんだ、それはそれは当日を楽しみにしていたわけです…


…が、しかし。
冷静になってみた。
私、【鎌倉】の何を知っている?
「修学旅行で記念撮影をした鶴岡八幡宮」
「お土産屋さんがずらーっと並んでたな」
「江ノ電にも乗った記憶が…」
なんて浅はかな知識…私、知らなさすぎじゃないかい…?(×_×)


…前日の夜に【鎌倉】について、改めて調べてみました。
◎12世紀末に、源頼朝が、三方を山、一方を海にかこまれた鎌倉の地形を活かし都を築き、あたらしい武家文化を作った。


独特の自然環境の中に、今でも多くの歴史遺産が残り、現代の日本にも、大きな影響を与えてきた鎌倉は、平成23年に「世界文化遺産」として、推薦されることになっている。
へぇー。
こんなんで、今アツイ【鎌倉】への、私の旅は始まったわけです。


朝、鎌倉駅に到着すると、老若男女、すごい人!
しかも、結構な割合で、皆さん、トレッキングシューズを履いています。
そんな光景を見ながらまず向かったのが、鎌倉市役所。
職員のウダカ課長に、世界文化遺産登録に向けたこれまでの取り組みや今後の流れを、鎌倉の魅力を含めながらお話頂く。

 

 

 

 

 


鎌倉市役所にて…。世界遺産登録推進担当の宇高課長。


 

 

 

鎌倉市が、本格的に推薦書の作成に取りかかるまでには、なんと、10年もの時間がかかったという!
一つの建造物を取り上げるわけではなく、この独特な地形そのものも含めた鎌倉全体が「遺産」だという、なんともスケールの大きなお話。


私って、今まで、鎌倉の「か」の字も分かってなかったんだな…
こう痛感しながらも、新たな出会いにドキドキ、鎌倉の遺産巡り、スタートです!!!
今回ガイド頂くのは、鎌倉に住んで55年・鎌倉ガイド協会の黒川さん。
どっしりと構えたその姿、無知な私には頼もしい先生です。

 

 

 

 


鎌倉の歩く生き字引?鎌倉ガイド協会 黒川さん。








大通りから一本入って、住宅街を歩く。
三方を山に囲まれているだけあって、自然がとても近くに感じられます。


乾いた草木の香りや、鳥のさえずり、ぐんぐん近づいてくる山々。
ふと、おしゃれなカフェやお土産屋さんもあって、かと思ったら、少し勾配がきつくなったり、いい意味で忙しい楽しさ(笑)
まず向かったのは、「佐助稲荷神社」

 

 

 

 


パワースポットらしい…佐助稲荷神社。


 

 




行ったことなーい!と言う私の横で、ニヤニヤする作家Yさん。
いきなり、携帯の待ち受け画面を見せてきて、
「超ーパワースポットらしいよ。」
と得意げに言ってきた。


Yさんの待ち受け画面になっている写真を見る限りだと、派手な印象はないけど…
と思っていると、黒川さん、「到着です。」
正面の山へ突き進むかのように、ずらーっと連なる赤い鳥居。
一歩ずつ進む度、山のなかに吸い込まれていくみたい。


石段をのぼりきると、シンと静まり返った中に社殿がある。
わーっと驚いていると、「ここで本当に驚くのはまだだよ。」と、黒川さんに連れられ、更に奥へ。
すると、たくさんのほこらが、緑色の苔をかぶって残っていた。
宮崎駿作品の映画の出てきそうな、うっすらとした不思議な空間。
無造作に生えている木々も太くて、強い生命力を感じます。


そこから「銭洗弁財天」へ。
佐助稲荷とは正反対の賑わった雰囲気。
たくさんの人で賑わうその先には…
え?洞窟!?!?!?
そして皆さん、なぜお札や小銭を裸で持ってるの!?!?!?
ん?…えっ、えー?
あの人のお札、ビショビショじゃん!(°∇°;)
そうなんです。
ここは、その名の通り、「お金を洗うと、その倍になってお金が返ってくる」という御利益があるんだって。


しかも、洞窟の中の湧き水で洗うなんて、驚き。
もちろん、私も挑戦です!!
小銭をジャラジャラ選んでいたら、
「お札いくんだよねー、1万円とかいくよねー」
というスタッフの圧力がかかったので…
弱気に千円札にしました(笑)


ほの暗い洞窟の中に響き渡る綺麗な湧き水の音と、人間の欲望が伺えるお金を洗う音。
なんか、笑えます。
心を込めて、(もちろん、欲望…じゃなかった、願いも込めて)千円札を洗います。
洗ったお金は、使わなきゃ意味ないらしいそうで、
後にこの千円は、私の交通費になりました(笑)

 

 

 

 

 


銭洗弁財天にて…。ちゃっかり千円を洗った…棚橋麻衣。


 

 




ビショビショに濡れた千円を握りしめたまま、次の場所へ向かおうとすると、
「ちょっと上を見てください。」
と黒川さん。


岩肌の所々にある矢倉。
昔は、偉い人のお墓だったりしたそうですが、なぜ作られたのか、どこに幾つあるのかは謎のままだそうで…埋もれる歴史を目の当たりにして、タイムスリップしたような気分になります。
ぐんぐん坂を上がり、見えてきたのは、「源頼朝銅像」
現代の鎌倉を眼下に見ながら堂々と、そして凛とした顔つき。

 

 

 

 

 


源氏山公園にある源頼朝像

 

 

 

歴史が苦手な私でも、これだけは覚えてるんだ!
イイクニつくろう鎌倉幕府!
「ところが、近年、所説色々で、一概に言えない。」
え?マジですか?黒川さん!(;゜O゜)


源頼朝が征夷大将軍になった1192年以外にも、源頼朝が初めてこの地に訪れた年や、戦に勝利した年など、近年色々と言われているそうで、最近の歴史の教科書には、1192年とか書いてないらしい!ショック!!!
本当のところはどうなんですか!源さん!
そんな衝撃話を聞きながら、「化粧坂」へ突入。
って、全く整備されていない山道だよ、ここ。
いや、むしろ、最近の登山道のが親切かもね。

 

 

 


これが化粧坂


 




一歩ずつ、ゆっくり進まないと、あっという間に足をとられてしまう。
でもこれが、敵から幕府を守るための一つの作戦だったと聞くと、納得。
あと駅で見かけた人達が、トレッキングシューズだったことにも納得。(笑)


身を持って歴史を体感した後は、心を休めに「浄光明寺」へ。
静かな庭園の中には、深い歴史をじっくり漂わせる建物があって、化粧坂でクタクタになった足を休められる。
ここには、いわゆる京都のような、煌びやかな建物はないけど、そこにまつられている仏様やお地蔵様を見て、心落ち着かせられるという魅力がある。
また、山を削って建てられているため、入り口から本殿が二段になっているところも面白い。
これが、鎌倉の遺産の特徴です!

 

 

 

 

 


浄光明寺(客殿)




浄光明寺(本殿)





 



そして、最後は、「建長寺」。
日本で最初の禅宗専用道場として、北条時頼が建設した大きな建物には、たくさんの観光バス!
山に向かって一列に並ぶ建造物を見ながら奥に進んでいくと、ちょうど結婚式の最中。
新郎新婦が幸せそうに歩いていて、私も釘付け。
※結婚式を挙げるなら、私も和装がいいなー。あ、すみません、関係ない話。

 

 

 

 

 




 

 





仏殿に行くまでに、その両端に植えたれた、大きな気になる木。
「柏槙の木」という名前で、木の幹や枝がすごいうねり。。
仏殿は、江戸時代に、東京の増上寺から来たものらしく、細部まで模様がすごい。
柱一つとっても、深みというんですか、独特の色彩が美しい。

 

 

 

 

 





建長寺の三門。




建長寺の仏殿。





 

 


こんなわけで、
目からウロコだらけの棚橋の鎌倉の旅前半戦終了後するわけですが、
ここまで、鎌倉のどのくらいを私知れましたかね?
と黒川さんに訪ねたところ、
「半分もいってないね!!」
とのこと(^^;)

次回も、お楽しみに!(^^)!