ボブ・マーリー特集!

2012-02-05


bob

『ルーツ・ロック・レゲエ!ボブ・マーリー特集!』。

M.  ROOTS, ROCK,REGGAE
 / BOB MARLEY & THE WAILERS  

1曲目にお送りしたのは、1976年のアルバム
『ラスタマン・ヴァイブレーション』から
その名もズバリ、
ROOTS, ROCK, REGGAEです。

まさに、彼の音楽的なスタイル、姿勢をそのまま歌にした名曲です。

M.  STIR IT UP  / BOB MARLEY & THE WAILER

さて、次にお送りしたのは、アイランドレコードからの1作目
ボブ・マーリーのワールドワイドなデビュー作
『キャッチ・ア・ファイアー』から
“スター・イット・アップ”でした。

体制への反抗、虐げられてきた黒人の心の叫びを表現した
レベルミュージックが、ボブ・マーリーの1面なら、
こういった“LOVE”“やさしさ”を表現するのが、
ボブ・マーリーのもう一面、
ですよね。

左チャンネルのミュート気味の裏拍のギターカッティングと、
シンプルなリズム。そこに力の抜けた優しいボブのボーカル。
この音楽を聴いて喧嘩を始める人はいないんじゃないでしょうか?

さて、『ボブ・マーリー』。
明日が誕生日、ということで、生きていたら67歳!
死後、31年。という音楽界のレジェンドです。

ボブ・マーリー(本名ロバート・ネスタ・マーリー)は、
1945年2月6日ジャマイカ北部海岸沿いの村、
ナイン・マイルズで生まれました。

彼の父親ノーヴァル・マーリーは、ジャマイカ駐屯のイギリス軍大尉で、
プランテーション監督官。もちろん白人です。
完全に体制側。貧しい黒人たちを支配する側、ですよね。

母親セデーラ・マルコムは、地元ジャマイカの黒人。
父親より30歳以上も年下の当時18歳!だったそうです。
当初から、別居していたそうですから、
まともな親子関係はなかったんでしょうね。

白人と黒人との混血。そして、支配者と被支配者との間に生まれた!
という事実に
彼は葛藤して苦しみますが、だからこそ、
その壁を取り払うために歌う!
という宿命を背負って、歌い続けたのではないでしょうか?

M.  GET UP, STAND UP 
 
/ BOB MARLEY & THE WAILERS 
 

ほぼ、Bmのコード1発で進んでいくシンプルな曲。
そう。Bmさえ覚えておけば弾き語りできるこの曲ですが、
なんでしょう。この中毒性のあるグルーヴと、ポピュラリティー。
本当に凄いですよね。

そして、
“神がいつか降りてきて、天国に連れてってくれるなんて信じてないで
 イマの苦しみから救われるために、起きて、立ち上がって
 自分たちの権利を叫んで行こう!”という実に、扇動的な曲です。

政治的なメッセージとも密接にかかわっているのが、
ボブ・マーリーの楽曲の
特徴ですよね。まぁ、だからこそ、
反対勢力によって狙撃されたりするわけですが。

さてさて、さっきの話の続きです。
白人の支配者階級の父親とは離れて、幼い頃から、貧しい黒人の
母の元で暮らした
ボブ・マーリー。住んでいたのは、
キングストンのスラム街、トレンチタウンです。
教会でゴスペルを歌い、そしてお爺ちゃんからギターやオルガンの
弾き方を教わるうちに、
彼は、自然に音楽にのめり込んでいきます。

学校も中退。

そんな中、1960年代頭にはジャマイカのスターミュージシャン:
ジョー・ヒッグスと
出会って、彼の人生が大きく動いていきます。

あのジミー・クリフ(映画『ハーダー・ゼイ・カム』に出演したり、
映画『クール・ランニング』の主題歌を歌ってる、グラミー賞も受賞した
ジャマイカ出身のスター)にも音楽・レゲエを伝えた、という
“レゲエの父”:ジョー・ヒッグスから、直接レゲエを教えられた彼は
ジャマイカ独立の年1962年にレコードデビュー。
その後は、コーラスグループとして活動します。

が、なかなか芽が出ませんでした。

M.  LIVELY UP YOURSELF 
/ BOB MARLEY & THE WAILERS

独特のレゲエのリディムに、ブルージーなギターのオブリ。
コーラスとホーンが、かなり“洗練されて”都会的に聞こえますよね。

ジャマイカの土着的なサウンドではなく、明らかに“外”を向いて
作られた
ボブ・マーリーのレゲエミュージック。
だからこそ、これほどまでに
世界的評価を受けたんでしょうね。

さて、さっきの話の続きですが。
1962年に、地元ジャマイカでデビューしたボブ・マーリーですが、
なかなか苦労します。多少のヒット曲は出ますが、活動は安定しません。
バンド名・ユニット名もコロコロ変わっています。

そんな中、徐々にボブ・マーリー自身がラスタ思想
<アフリカ回帰運動のひとつ。
ドレッドの髪型で菜食主義、
 あの独特のラスタカラーなんかが有名ですよね>:
にのめり込んでいきます。

音楽に乗せたいメッセージも徐々に固まっていきます。
そしてメンバーも、どんどん強力になって、
ボブ・マーリー&ザ・ウェラーズの
形と音楽・メッセージが
一つになっていきました。

そんな中1972年.
ついにボブ・マーリーは“ジャマイカの”ではなく
“世界の”ボブ・マーリーへと進むべく、
ワールドワイド契約を取り付けます。

M.  NO WOMAN NO CRY 
/ BOB MARLEY & THE WAILERS  
 

次にお送りしたは、言わずもがな、のボブ・マーリーの代表曲。
大名盤『LIVE!』の収録曲“NO WOMAN NO CRY”でした。

EVERYTHING GONNA BE ALRIGHT”というメッセージに
救われた人、この世界に何万人いるんでしょう。
それくらい、人々の心をこの21世紀になっても癒し続ける
名曲中の名曲です。

ただ、この曲の作者にはボブ・マーリーではなく、ボブの友人:
ヴィンセント・フォード
という人の名前がクレジットされています。
歌詞、メロディー共に、ボブ・マーリーの特徴がこれでもか!
と入っているので、
いまだにこの曲はボブ作ではないか?
という意見もありますが、真相はもう分かりませんね。

一説には、不遇時代に助けてくれた恩返しの為に、印税が渡るように
こういうクレジットにした、という説もあります。
本当だとしたら、すごすぎますね。幾ら儲かったんだろ?

さてさて、1972年。ついにジャマイカからイギリスに渡って
メジャーレーベルと契約したボブ・マーリー。

1972
年は、レゲエにとって、本当に重要な年でした。

さっきも話にでた、あのジミー・クリフが主演したレゲエ映画
『ハーダー・ゼイ・カム』
が公開されて、そして、
あのポール・サイモンがジャマイカでレゲエソング
MOTHER AND CHILD REUNION』をレコーディングして、
世界的に大ヒット!
となったり、
まさにレゲエが新たな音楽ジャンルとして大注目された年でした。

そんな中、レコード会社は社運をかけて“レゲエ・スターの本命!”
として
ボブ・マーリーを売り出すべく、一大プロモーションを行います。

1973
年のワールドワイドデビューで、ボブ・マーリーの名前は
一躍世界に
轟くことになります。

M
I SHOT THE SHERIFF 
 / BOB MARLEY & THE WAILERS
  

1973
年のセカンドアルバム『バーニン』から、
超有名曲“I SHOT THE SHERIFF
をお送りしました。

警官を標的にした、まさにレベルミュージック!
としてのボブ・マーリー。
衝撃的な歌詞。
現代だと、放送禁止になりそうなほど過激、ですよね。

1974
年にはエリック・クラプトンがカバーして、全米1位を記録。
まさに、レゲエが最も“流行の”音楽になった瞬間。
そして、ボブ・マーリーが神格化されていくキッカケになった
楽曲ですね。
さて、デビューから一気にスーパースターとなった
ボブ・マーリー。
“第3世界初の”スーパースターとして、
その発言は圧倒的な影響力を持つようになりました。

その弊害も起きます。

1976
年には、ジャマイカで政治キャンペーンに参加したことが
反対勢力の反感を買い、頭と肩の2カ所を銃で撃たれる、
という衝撃的な事件も起きました。
<その2日後には、ステージ立ってた、というから凄いですが・・・>

その結果、ボブ・マーリーはジャマイカを亡命。
バハマ・イギリス・アメリカなどで暮らすようになります。

M
EXODUS  / BOB MARLEY & THE WAILERS

1977
年の6枚目のアルバム『EXODUS』から、
タイトルトラックをお送りしました。
ラスタ思想が爆発した楽曲。
こういった“扇動的で”“かなり偏った”
思想の楽曲が世界的に受け入れられた、
という事実も凄いですよね。

おそらく、既存のビッグビジネスのロックミュージックに
飽き飽きしていた
音楽ファン、
今でいうとオルタナミュージックのような存在として受け入れられていた
らしいですが。それにしても。。。ねぇ。

さてさて、ボブ・マーリー。
活動後期は、ほぼ病気との闘いでした。

足のガンが体中に回って、手術を繰り返すようになります。
そんながんとの闘病中にも多くの楽曲を残しています。

M
COULD YOU BE LOVED 
 
/ BOB MARLEY & THE WAILERS
 

ボブが亡くなったのは1981511日でした。
36歳、という若さです。

彼の時代から、レゲエミュージックは同じ音楽とは思えないほど
様変わりしていきましたが、
その思想は、ジャンルを問わず、生き続けています。

M
ONE LOVE/PEOPLE GET READY

 / BOB MARLEY & THE WAILERS