“鉄道の街 大宮”で鉄道の歴史を探る旅|旅人:服部好伸

2012-02-24

 

お久しぶりです!
今回の旅人は、電車に乗る時はわざと一本遅らせてでも座りたい怠け者、服部好伸です。

 

 

旅のスタートは、埼玉県さいたま市・大宮駅の「埼玉新都市交通・ニューシャトル」ホーム前。
実はココ、JFN系列ではない、某FMラジオ局の目の前なのです。
しかも! 私、いつもお世話になっている放送局なので、
あまりウロウロせずに旅をスタートさせました(笑)。

 

 

 


大宮駅を出発する「ニューシャトル」



窓の外にはJR東日本の車輌工場が!
クーラーが並んでる!




さて、週に何度も訪れている大宮駅ですが、
「ニューシャトル」に乗るのは初めてなのです!!
ゴムタイヤで走る列車ということで、“縦揺れ”を感じる一方、線路のつなぎ目がないので、
いわゆる“ガトンゴトン”という音はしないんですねーー!
外に目を向けると、左手には鉄道の工場がズラーーっと並んで、右手には新幹線が走っています。キョロキョロしているとすぐに、「鉄道博物館駅」に到着。
目の前には“てっぱく”の愛称で知られる、鉄道博物館があります。

 

 





 

開館直前に到着したわけですが、すでに数人のお客さんが並んでいました!
後から話を聞けば、開館の2時間半前から並んでいるとか・・・。恐るべし鉄道ファン!!
この鉄道博物館には、実際に走っていた車輌も展示されています。
ただ見るだけでなく、列車の歴史や、仕組みを学ぶ事ができたり、
駅弁や食堂車の食事を味わう事ができたり・・・、
とにかく列車・鉄道に関する情報が凝縮されているわけです!!
広さは、東京ドーム1個分と同じ!
屋外にもスペースがあって、隅から隅まで見て回るには1日じゃ足りないのではないか??
と思うくらい大きな博物館です。

 

 

 

 





「ヒストリーゾーン」の展示車輌たち 
ターンテーブルに乗っているのは 貴婦人という愛称で呼ばれた C57蒸気機関車。




早速やってきたのは、1階にある「ヒストリーゾーン」。
ここには、日本初の蒸気機関車から新幹線まで、
時代の流れとともに鉄道がどのように進化していったのか、
実際に車輌を見ながら勉強することができます!
普段もボランティアガイドの方の解説を受けながらフロアを見て周ることができるのです!!
今回は特別に「鉄道博物館」の学芸員、奥原哲志さんに案内してもらいます。

日本初の列車は、新橋−横浜間。イギリスから輸入された蒸気機関車が第1号だったのです。
鉄道記念物&国の重要文化財に指定されている、貴重な資料でもあるわけです!!
当時の新橋駅を再現した作りの中で、歴史を辿ることができます。
映画や本でしか見た事がない世界がココには広がっているんですね!

 

 

 


明治5年に日本で初めて鉄道が開通した
新橋~横浜間で走った「1号機関車」 
浮世絵で見た方も多いのでは? 本物です!




北海道の開拓で活躍したSL「弁慶号」と
黄色い客車「開拓史号」も!



大正時代に入ると、いわゆる電化が広まり、今まで都市と都市を結ぶ列車だったのが、
都市部内で通勤や通学輸送に使われるようになってきたのです。
この頃から用途が今と同じようになっていたとは驚きです。
やはり需要が増えた事によって、電化されていった事が大きなポイントなんでしょうね。

 

 

 

昭和初期・戦前の車輌の特徴として代表的なのが
「国鉄40系電車(展示車輌は先頭車のクモハ40)」と言われるもの。
まさしく今の通勤電車の原型と言って良いでしょう。
横向きのロングシートで、吊り革があって、網棚があって、
一度に多くの人を乗せることができるようになりました。
私は怠け者なので、椅子が空いていれば座りたい! 座った際には眠ってしまいます・・・。
こんな感じかな? あっ、実際には周りにお客さんもいるので、
深く腰掛け、足も大きく投げ出さないように注して下さい!!

 

 

 


お~い、寝るなっ!!


 

 

 

 

 


通勤電車の元祖ともいえる「クモハ40」
戦前の山手線や中央線を走っていた




「クモハ40」の車内は板張り&本当の網で
編んだ網棚… とてもレトロ


 


銀河鉄道999のモデルになった展望車
「マイテ39」




その車内は、こんなに豪華!

 



戦後になると、よりスピードアップし、路線も増えて長距離の移動も可能になってきます。
その代表がブルートレインでしょう!
昼間は椅子で夜はベッドに変わる、いわゆる寝台列車というやつです。
今でも夢みている、寝台列車での旅。実は子供の頃以上に憧れていたりしませんか?
その先駆けともいえるのが、このブルートレイン「あさかぜ」。
当時、博多−東京を17時間かけて走っていました。

 

 

 


20系寝台車ブルートレイン「あさかぜ」



寝台車の車内(B寝台)は、こんな感じ!



鉄道にサービスが付加されていったのもこの時代。
特急にはクーラーが付きました。
今では当たり前でも、当時の人にとっては、それはそれはありがたく、
贅沢に感じたものかもしれません。

 

 

 


ボンネット型の電車特急「181系」や「485系」の屋根には キノコ型のクーラーが!




さて、展示場に端には、ガラス張りになってドーーンと身構えている車輌がありました。
これが御料車。いわゆるお召し列車と言われる、皇室専用車輌です。
一流の職人が集められ、最高級の車輌が作られたわけです。
車内のみならず、外装も漆を使っていたり、当時は他にない位の大きな窓が使われたり、
その窓枠などは金箔で縁取りされていたり、とにかく1級品!
金額で表すのは不可能だそうです。不可能だと言われると知りたくなる私・・・
何度か聞いてみましたが、やっぱり不可能だと言われました(笑)

 

 


分厚いガラス越しに6輌並んで展示されている
御料車




御料車の車内



そしてやってきました! 新幹線です。0系と言われる、日本初の新幹線。
私はとにかくこの車輌にはお世話になりました。
岐阜出身で、祖父母が東京に住んでいたので、
子供の頃は休みになると、これに乗って往復していました。
子供というのは無い物ねだりをするもので、
東海道・山陽新幹線は青色の車輌、東北・上越新幹線は緑色の車輌でしたが、
どうしても緑の新幹線に乗りたい! と駄々をこねた記憶があります(笑)
しかし、どうして車内販売のカップのアイスクリームはあんなにカチカチだったんだろう?
と今でも思います! あれ、なかなか溶けませんでしたよね??

 

 


思い出の0系新幹線!
ま~るい体型が似ているような…。




奥原さん、面白いお話をたくさん教えて頂き
ありがとうございました!



博物館の中には、「日本食堂」というレストランがあります。
これは、実際に食堂車の調理を担当していた会社の名前です。
午前中、夢中になって歩き回ったら、ここでお腹いっぱい食事ができます!
番組作家のクボさんが事前に注文しておいてくれたのですが、
なぜ? なぜ私は「お子さまランチ(ちなみに料理名は「お子さまセット」)」なのですか??
そりゃ、子供の頃は喜んで食べましたけど、今は学生時代ほどの量はたべられませんけど、
いくら何でもそりゃないでしょ!!(怒)
他のスタッフは、「ビーフシチュー」や「カツカレー」、
「列車乗務員賄い丼ハチクマライス」なんて言う、
シャレオツでボリューミーなものをガッツいているのに・・・。

 

 

 

 


人気の「列車乗務員賄い丼ハチクマライス」は
内容が定期的に変わる 
今の時期はテリヤキチキンと温玉がのった、
こちらが食べられる




で、私は…、歳は31だぞ~っ!!



さて、気を取り直して今度は「シュミレータホール」にやってきました。
ここでは、山手線や新幹線などの運転体験ができます。
本物の運転室が再現されていて、モニターを見ながら運転ができます。
中でも大人気で、注目なのが「D51シュミレータ」です。
本物のD51の運転体験ができるのは、日本でココだけなのです!
もちろん体験しましたよ!
シュミレータホールのインタープリタ、大屋悠里子さんの指導を受けながら、
汽笛を鳴らして出発進行!!

 

 

 


このシュミレータは本物のD51の運転席を使用



博物館入口にあった、
この「D51426」をカットして作った

 




でっかいスクリーンを見ながら
快調に機関士体験!




アナログなSLの運転席は
操作するレバーなどがいっぱい 
最近の電車に比べると運転はずっと難しい



テンションが上がりすぎて大はしゃぎでしたが、
一番驚いたのは、運転席部分がちゃんと揺れるんです。
鉄橋を渡れば音が高くなるし、踏切を通過すればドップラー効果も起きます。
こりゃ、人気なはずです!
ちなみに私事ですが、自称ゲーマーで、今まで数多くのゲームをこなしてきました。
しかし、どうしても「電車でGO!」だけはうまくできず、すぐに諦めました。
今回も、ちゃんとホームに停める事はできませんでしたが、
そのリアルな感覚を体験できた事で満足です!!

 

 

 


石炭(もちろんフェイクですが)をくべることも…



大屋さん、ご指導ありがとうございました!


さてさて、続いては「ラーニングゾーン」です。ここでは、“勉強”ができます。
蒸気機関車はどういう仕組みで走るのか? パンタグラフの役割は何なのか?
どうしてカーブを曲がる事が出来るのか? 鉄道に関する様々な疑問を解決してくれます。
ラーニングゾーンの制作運営担当、葛西寅彦さん曰く、
鉄道は一度速度を上げると、後はある程度慣性によって走っていくことができるそうです。
とってもエコな乗り物です。
でも、なぜ慣性で進むのか?? それは摩擦部分が少ないから!!
・・・これだけ聞いても、わかるようなわからないような・・・。
実際に目で見て、手で触って体感して下さい!!

 

 





パンタグラフを上げたり~下げたり~




車輪の重さはおよそ1トン つまり乗用車と同じくらい だから必死になっても持ち上がるわけな~い!




この「ラーニングゾーン」の1階で、みどりの窓口体験をさせて頂きました。
サービスする側になって、実際に発券することができます。
これほどIT化されている世の中で、どこかアナログ派な私は、
新幹線の切符を自動券売機やインターネットで買った事がありません・・・(汗)。
やっぱり、人と向き合って丁寧に発券してもらった方が、
安心だし、温かみがあるように思います。・・・・・・
単にボタンを自分で押すのが面倒だったりするのも事実(笑)。
(注:現在、この「みどりの窓口体験」は誰でもできるわけではありません。
詳細は、鉄道博物館にお問い合わせください。)

 

 


「みどりの窓口」業務体験をしてみました



パソコン画面から新幹線の時間などを選んで…


チケットを発券!



葛西さん、楽しい解説ありがとうございました!

 

「ミュージアムショップ」にはココでしか手に入らないグッズなどがたくさん売っています!
食べる物も、飾る物も、遊ぶ物も、幅広く揃っています。
人気の商品ベスト3を紹介してもらいひと通り取材を終えたら、
あれ? スタッフが再びお店に消えていきました。鉄ちゃんのクボさん、
どうやらココでしか手に入らない“何か”を買いに行ったようです。やれやれ。

 

 

 


"何か"とは…Nゲージの「鉄博ロゴ入りコンテナ貨車」! "何か悪いかぁ?"by.メルシー




ベスト3の3品。
3位:「小風呂敷(こぶろしき)」お弁当を包むような小さめの風呂敷で鉄博の車輛がズラリ!
2位:「石炭あられ」味はまさに香ばしい"あられ"だけど炭を練りこんでいるので真っ黒!
1位:「E5系はやぶさのロングバームクーヘン」はやぶさのパッケージに入った長さ約50㎝の
バームクーヘン。
他にも色んな新幹線のパッケージがあるけど、やっぱり緑のはやぶさが人気に!





ベスト3を教えてくれた「ミュージアムショップ」の佐藤美和さん ありがとうございました!


 

日が沈みかけた頃、鉄道博物館から歩いて10分ほど移動すると、
「大宮大成鉄道村」なるものが見えてきました。
外観がブルートレインというなんとも目立ちまくっている建物があります。
ここは、温浴・レストラン・ホテルがひとつになった複合施設!
館内はまさにブルートレインを意識していて、宿泊部屋は二段ベッドではしご付き。
照明も車内についているものをモチーフに作られています。

 

 

 

 


建物はブルートレイン「北斗星」の車輛をイメージ



客室の窓も空が見やすい「北斗星」の
個室のカーブ窓を再現




ブルートレインっぽく、2段ベッドに!


 

なにより驚いたのは、ロビーにある鉄道模型(Nゲージ)の巨大ジオラマ!
最初見たときは、回転寿司かと思いました。
持参したNゲージを走らせることもでき、大好きな鉄道をみながら食事もできる・・・。
マニアックですね〜。どれくらいマニアックかって?
鉄ちゃんスタッフのクボさん、自慢のお召し列車Nゲージを走らせてテンションマックス!!
珍しい車輌を目にした子供達がキャッキャ言っていました!!
支配人の横田夏夫さんも、実は鉄道大好きで、
お召し列車Nゲージで声のトーンがちょっと上がっていました!

 

 

 


ほ~ら回転寿司みたいでしょう?
ジオラマを見ながら食事ができる




なんと観覧車まで!


日の丸を付けたお召し列車が!



横田さん、今度は泊まりに来ます!

 

旅の締めくくりは、露天風呂でのんびりしました。
一日歩き回って、鉄道の歴史や仕組みを勉強して、D51を運転して、
充実した体を一気に癒しました。
思わず、あぁぁぁーと声が出たのは言うまでもありません。
そしてそのあと、ビールで喉を潤したのも言うまでもありません!!

 

凝り性の私は、新しい趣味をみつけると徹底してしまうタイプです。
帰り道、鉄道村から大宮駅までの間に、いくつも鉄道模型を売っているお店があるんですよ。
後ろ髪を引かれながら、クボさんの甘い囁きに耐えながら、ひとまず帰宅しました。

 

それでは、次回の旅でお会いするまで、私は車庫に入ります。

 

 

 

≪オフショット≫

あのぉ~、サリーまで裸になって収録することは無かったような気が…。
タイトル「醜い体」
お食事時の方、すみませんでした…。

 

 

 

 


☆写真の中には、ロケ時以外の下見時のものも含まれています。ご了承ください。