富山の春を感じる美味~ホタルイカの神秘を探る~|旅人:中田美香

2012-04-20

久しぶりにナレーション担当から旅人へと、へ~んしん!!!!
ナーーーーイス!!!

 

今回は、ワタクシにとっては第2の故郷と言っても過言ではない、富山県への旅。
というのも、富山県は私の両親の出身地ながっ(富山弁のつもり・・・汗)。
小学生までは、毎年夏休みのひとときを、立山町にある祖母の家で過ごした。
豊かな自然に恵まれ、360度見渡す限りの田んぼに囲まれた祖母の家からは、巨大な立山連峰を望むことが出来る。

 

 

 


雪が残る…立山連峰

 

 

幼い私は、雪が溶け、山肌が見える立山の下、田んぼの周りで泥だらけになって遊んだり、畑の野菜収穫や草むしりを手伝ったり、時には土蔵の中に恐る恐る忍び込んだり、夜になると窓からこっそりと、目の前を通過する富山地方鉄道立山線を眺めた。
真っ暗闇の中を通過する電車は、まるで惑星に向かって走る「銀河鉄道999」のようで、ワクワクしたものだ。

 

そんな訳で、ワタクシにとって縁深い富山県だが、入社して○○年以上経過しているにも関わらず、じつはお仕事で訪れるのはワタクシ今回が初めて>ヤッホー↑↑↑
無論、この旅を通して、新たな富山の奥深さ、魅力をた~くさん知った。
もーそれは、ワタクシの中の富山のイメージをぴょーーーんっと遥かに超えるほどの驚き∞∞∞&発見∞∞∞の連続だった。

 

今週から3週にわたって「早春の富山」の旅をお送りします>ペコリ。
今回のテーマは「富山の春を感じる美味~ホタルイカの神秘を探る~」!!!

 

まずは富山の春の味覚の代表格、ホタルイカを徹底追求っ!
富山市から車を走らせ40分くらいビューーーーン。
到着したのは、滑川市にある「ほたるいかミュージアム」。
まず驚いたのは、この施設の外観だ。
まるでインテリア雑誌にでも登場しそうなほどの、ナーイス・ルッキングな建物なのだ。
なんでも、イギリス人建築家の方がデザインされたそうで、外観は楕円形の船のようなイメージになっている。

 

 

 





ほたるいかミュージアム



 

 

施設内も順路関係なく好きなように回れるよう工夫が施されていて、とても気持ちの良い空間だ。

 

ホタルイカの生態を紹介しているこちらの施設をご案内頂いたのは、「ほたるいかミュージアム」の小林昌樹さん。
初心者のワタクシにも分かりやすく丁寧にご説明をしてくださった。感謝です!

 

最初に、ホタルイカ関連の歴史や文学、ホタルイカ漁の仕組みやホタルイカ海上観光の様子などを、写真と大きなパネルで詳しく詳細されているミュージアムギャラリーを見学。
夜の海にキラキラ輝くホタルイカは、写真で見てもまるで宝石のようだ・・・。まさに海の神秘をビンビンに感じる。
さらにキョロキョロと見渡すと「国の特別天然記念物」との文字。

 

ん?もしかして、本来ホタルイカは、私たちの口に入ってはいけないモノなの?ん?
頭の中に「?」マークを浮かべていると、小林さんが笑顔で説明して下さった。 

 

 



ホタルイカを愛してやまない小林昌樹さん

 

 

「ご安心ください。ホタルイカの種が指定されているのではなく、海面が国の特別天然記念物に指定されているので、食べても大丈夫なんですヨ」。
へぇー×10000000!!!!

 

天然記念物に指定されるほどということは、滑川のようなホタルイカの大群遊が見られるのは、世界的にも珍しいことなんですねー。
フムフム。

 

「コチラは、ホタルイカの身投げスポットもあるのですよ」と、小林さん。
「み、み・な・げ?」
またまた頭の中に「???」を浮かべる私。

 

滑川では春、ホタルイカのシーズンになると、産卵のためにホタルイカが来る通り道に定置網を仕掛けている。
それをくぐって岸までたどり着いたホタルイカが、朝方に砂浜やテトラポッドに打ち上げられていることがあるそうだ。
これが、“ほたるいかの身投げ”というワケ。

 

身投げの条件は、月明かりのない新月の前後、海が穏やかな状態、時間帯は深夜0時過ぎから2時頃だそうで、決して毎日は起こらない。
また、ナゼ身投げが起こるのかどうか、なども謎が残されたままなんだそうだ。

 

「新月」に加えて、「穏やかな海」において起こる・・・・って、もうそのキーワードからして、
「Romanticが止まらない」By C-C-B (ふるっ)。

 

 

 

 


海岸に打ち上げられる「ホタルイカの身投げ」




身を持って「身投げ」を説明しようとするミラクル吉武氏

 

 

続いて展示ホールへと進み、具体的にホタルイカの生態の謎をガクシュウ。
テーマ別に「どうして光るの?」「どこが光るの?」「どんな生活をしているの?」などなどが紹介され、ゲーム感覚で理解できる仕組みになっているから、スイスーイとアタマに入ってくる。

 

ホタルのように発光するからホタルイカ。
発光の理由は、敵から身を守るためで、発光するタイミングは、体に異物が触れるとき・・・。
仕組みは、腕や胴体に大小多数の発光器があって、体内の発光物質が光るのだそうだ。
ここで再び、へぇー×10000000!!!!

 

ホタルイカの生態にどんどん魅了され、グイグイとハマっていくワタクシ。
気が付くとすっかり仕事であることを忘れて、完全集中。
Dr.ホタルイカになるべく(なれないけど・・・)真剣に学んでいる自分を発見した。
こりゃ、すげ~。

 

 

 


3月~5月までは「ホタルイカ」を手で触れる

 

 

「では、光る瞬間を体験して頂きましょう」。
小林さんがライブシアターに案内して下さった。

 

「体験できるのですか????」
「はい!」
力強く答える小林さん。

 

このライブシアターでは、ホタルイカのシーズン中、実際に生きているホタルイカによる発光ショーを毎日行っていて、網が用意され、実際にホタルイカすくいが体験できる。
やる気満々なワタクシ。
誰よりも早く、一番前の正面の場所を確保して、スタンバイ(小学生かっ)!

 

 

 


このあと…真っ暗になると…。

 

 

「イチ、ニー、サン」のかけ声とともに、グイグイと網を引き、プチ漁師さん気分。
場内の明かりが消され、同時にホタルイカが無数の光をピカピカピカと発する。
それはそれはもう、幻想的で美しい雰囲気nanodesu。
YAJIKITA男性スタッフだって、このときばかりは一緒にキャッキャッ。
ただ一人、カメラマンのケイゴは、光る、まさにその瞬間をカメラにおさめようと、眉間に皺寄せ真剣そのもののプロ目線だったけど。

 

発光するホタルイカをしばし眺めていると、そのうち鈍い光に変化していく。
異物に触れ、最初に手の部分から青白い光を発するホタルイカは、その後、胴体の部分が発光する。

 

こんなに間近にホタルイカの発光の瞬間を体験できるって、スゴい貴重だわぁ(っと、すっかりホタルイカのマニア気分のワタクシ↑)!

 

気になったのは、場内の所々に、「食べないで」「持ちかえらないで」の貼り紙がしてある点。
「食べるかよ!」と思わずツッコミを入れてみる(笑)。
おちゃめなミュージアムだなぁ~と思っていると・・・。
「リアルに食べちゃうお客様がいらしたんです」とのコト。
ホタルイカは生の場合、内蔵をしっかりと取り除いてから頂くべきなんですって。

 

さて、見学&学習を終えて向かったのは、館内2Fにある食事処「パノラマレストラン光彩」。
窓一面、まさしくパノラマに広がるトビキリ美しい日本海を眺めながら、お食事が出来るというレストラン。
注文をすませて「いざーーーリポート開始!」と思ったら、肝心のDであるサリーがいない・・・。
あれ?あれ?あれ?
サリーったら、外に出て、しばし日本海を眺めながら、独り黄昏れておりました。
ウン。気持ちは分かる!

 

 

 


こんな日本海目の前にしたらそりゃ現実逃避したくなるわな…。

 

 

頼んだメニューは、「ホタルイカ御膳」はもちろん、ホタルイカのピザやパスタなどなど。
御膳の内容だが、ホタルイカのお刺身、ホタルイカの沖漬け、ホタルイカの天ぷら、酢味噌かけなど、まさにホタルイカ尽くしの逸品。
どれもこれも味わいや食感が違っていて、飽きることなくいくらでも頂けちゃう!

 

身の独特の甘みったら、初めて体感する美味しさなーりー。
湯を通したホタルイカを酢ミソで和える頂き方なんて、最もポピュラーな食べ方じゃん!と感じたアナタ。ちっちっちっ・・・・違うんです。
富山産のホタルイカは、大きく、甘みがあり、さらに色合いは淡い桜色・・・ズバリ!別格です。

 

 

 


「ホタルイカ御膳」

 

 

また、スタッフ一同大絶賛したのが、ホタルイカのパスタ。
産卵期のふくよかな富山湾産ホタルイカに春の味覚である菜の花が加わり、ソースはホタルイカそのものの旨味がたっぷりしみたオリーブオイル仕立て。
言っておきますが、これもかなりマイウー!
いやん、ホタルイカの魅力をまさかのイタリアンで堪能出来るなんて・・・・不思議&シアワセ・・・・当然、完食。アタリマエ。
ごちそうさまでしたーーー!

 

 

 


ほたるいかと竹の子のポッラータ仕立てスパゲッティ


ほたるいかのバジルきのこピザ

 

 

 

 

 

続いては、コチラのレストランにもホタルイカを卸しているという「カネツル砂子商店」を訪ねた。
創業以来100余年にわたって、ホタルイカの加工一筋という砂子さん。
工場を見学させて頂くと、そのこだわりが伝わってくる。

 

ゴーゴー。
工場内は、賑やかだ。
数十人の授業員の方々が、手分けして朝に獲れたばかりの新鮮なホタルイカをボイルしている。

 

ボイル作業の脇には、10人以上の女性スタッフの方々がずらりと並び、丁寧にボイルされたホタルイカを一尾一尾確認し、手際良く箱に詰めていく。
その様はまさに芸術!
美しいぃぃぃホタルイカの姿にホレボレだ。

 

多忙の中、気持ちよくご対応下さったのは、「カネツル砂子商店」代表取締役の砂子良治さん。
砂子さんは、富山県ほたるいか協会の副会長でもいらっしゃる。

 

 

 


「カネツル砂子商店」の代表・砂子良治さん

 

 

お店の自慢の商品を伺うと、ホタルイカの“沖漬け”ならぬ「ほたるいか活漬け」とのコト。

 

活きたキトキト(新鮮)なホタルイカを、そのままジャッと無添加の減塩醤油に漬け、夜通し醤油を吸い込ませる。その後、冷凍殺菌処理をして完成。
春の限定商品で、生産が間に合わないほど人気の逸品だそうだ。

 

今年は、天候不良のため、漁の経過が思わしくなく、ホタルイカの時価も平年より少し高めだそうだ。
価格が下がってほしいと願うのは、ホタルイカを毎年楽しみにしている消費者である私達はもちろんだが、なによりも毎日ホタルイカ漁に出かける漁師の皆さん自身だよなぁ~と、アタリマエのコトながら、シミジミ感じた。

 

産卵前のメスのみで、ほとんど定置網漁のため、カラダを傷つけず、生きた状態で引き上げ、鮮度が抜群という富山県産のホタルイカ。
今回の取材でお会いした方々は、皆さんホタルイカへ並々なる愛情をお持ちでいることをヒシヒシと感じた。

 

 

 

 

 

ほたるいかミュージアムの小林さんにとってのホタルイカとは、という問いには「仲間」であり「同士」であるという表現を使われた。
「カネツル砂子商店」の砂子さんは、ボイルしたての富山県産ホタルイカを差し出してくださり「大ブリで、甘みがアルでしょー」って。
その表情は、まるで自分の子供を見るときのようで、優しい。

 

今回の旅を通じて、ホタルイカの魅力の虜になったワタクシ。
知れば知るほど、ホタルイカへの有り難みやよりいっそうの感謝の気持ちが沸き、ホタルイカがさらに美味しく感じられるようになるから、不思議なものだ。

 

やはり、美味を堪能するのは、その土地へ行って旬のモノを食するのが一番!
はぁ~、だから旅はやめられない。

 

次週も富山の旅をお送りしますので、お楽しみに。

 

つぶやき:今度は、海上観光にもチャレンジしてみたいな~。