日本一のチューリップ王国・富山~カラフルに彩る砺波の旅~|旅人:中田美香

2012-04-26

 

うっひょー!!!
今回も、ワタクシ中田美香にとって、第2の故郷である富山県の春を感じる旅。テーマは「日本一のチューリップ王国・富山~カラフルに彩る砺波市の旅」。
ルン♪

 

思えば、毎年春になると、ウツクスィー、プリンセスチューリップ(花の親善大使)の方々が、これまた、ウツクスィー、チューリップの花束を持って、東京は半蔵門にあるJFNのスタジオにやってきてくれる。
みなさん満面の笑みを浮かべて「となみチューリップフェア」や砺波市の魅力などを語って下さるのだ。
話を聞くたびに、はぁ~いつかは自分の目で砺波のチューリップを見て、その魅力に浸りたいなぁ~と思っていた。
だからこそ、今回の旅は想像するだけでワックワクだった♪

 

 

 

 

まずは、富山市内から車でビューン。
40分位かけて砺波市に移動。
突如として目の前に真っ赤で巨大なチューリップのオブジェが飛び込んできた。
到着したのは、チューリップのイロハを学べるという施設、「チューリップ四季彩館」。
ガラス張りのオサレな建物だ。

 

 



手でチューリップのイメージを現わしていますが…いろんな意味で残念。

 

 

 

早速、「チューリップ四季彩館」三上亜紀代さんに館内を案内して頂いた。

 

エントランスからすでに色とりどりのチューリップが咲き乱れ、我々を歓迎してくれる。
赤、白、黄色・・・・どころではないぞ。
ピンクにオレンジ、紫まで、実にカラフルなチューリップたちが顔をのぞかせる。
取材した時はまだ雪が散らつく3月中旬だったけれど、それでも色鮮やかなチューリップの花々を見ていると、ココロがホワン。じんわーりあたたかくなるから不思議。 

 

 


 

 

館内に入ると、吹き抜けの窓から気持ち良い陽射しが差し込む。
キラキラした陽射しをたっぷり受けて、花たちも気持ち良さそう。
チューリップテラスといわれるこの空間は、異国情緒溢れるアトリウムになっている。
四季折々のテーマに沿った展示が行われているそうだ。

 

 

 





「チューリップ四季彩館」三上亜紀代さん





続いて案内して頂いたのは、チューリップスクエア。
ここは、一年中可憐なチューリップの花々を鑑賞できるのだそうだ。
というのも、温度をしっかり管理し、最先端技術によって計画的にチューリップの花を開花させたりしているとか。
こんなふうに四季を通してチューリップを鑑賞出来る場所って、世界中探してもココしかないらしい。
VIVA!最先端技術!VIVA!世界唯一だ!

 

チューリップというと、コロンとした丸い花弁を持つイメージが強いけれど、ココには上品な八重咲きのものや、ユリの花のように咲くもの、花弁の先がフリンジになっているものなどなど、実に様々でオドロキの連続!
また、チューリップの薫りってあまり意識したことがなかったけれど、さすがに多くのチューリップが一同に集まると、どことなーくフレッシュで、フルーティーな薫りを感じた。これまた、ビッグでフレッシュなオドロキ~!

 

 

 

 

 

チューリップミュージアムでは、チューリップの歴史もお勉強したヨ。
このチューリップミュージアムの内装もインパクト大!
アーチ型の入り口に円柱の柱が建つ、どことなくトルコのモスクを彷彿とさせる雰囲気だ。
何故?
三上さんが教えて下さった。「実は、チューリップの原産地は中央アジアで、その後トルコを経てオランダに伝わっているのです」ほ、ほぉ~。
ワタクシ、すっかりチューリップはオランダのものだと思い込んでおりましたわ・・・(汗ふきふき)。

 

チューリップの球根の生産量が日本一を誇る富山県。
その数は、年間2230万球に上る。
砺波市でチューリップの栽培が始まったのは大正時代なのだそう。
水野豊造さんという方が、水田の裏作として試しに植えてみたところ、植えた球根より一回り大きな球根ができ、砺波がチューリップの適地だと気付いたのだそうだ。

 

 

 


チューリップ生産農家さんの水野さんと仙道さん

 

 

今回の旅で、水野豊造さんのお孫さんにあたるチューリップの生産者の水野豊範さん、同じくチューリップ生産者の仙道秀松さんにお会いする事が出来た。
改めて、富山県とチューリップの関係を伺ってみると、「いまでこそ、チューリップの球根作りは、水田の裏作として栽培されているが、かつて農家の若者の多くは、農閑期になると、出稼ぎで現金収入を得ていたんだ」と言う。
水野豊造さんとチューリップの花との出会いは、球根などが掲載されたカタログだそう。
「チューリップという珍しい花の存在を初めて知り、興味を持ち、購入を決めた」そうだ。
当時は相当高価なものだったようで。
それを畑の隅に植え、やがてかわいらしい花を付けた。
すると、ある日咲いたばかりの花の頭の部分を子供がイタズラして摘んでしまった。
すると、その摘まれた球根だけが大きく成長。
これが球根作りのヒントになった、なんていうエピソードも聞かせて頂く。

 

砺波地方は、球根作りに大変適した気候でもある。
冬の厳しい寒さと積雪が、球根を一定の状態に保ち、晴天の続く春がチューリップの花をいっせいに咲かせる大切な条件なのだそうだ。
そっかぁ。
雪に覆われた真っ白の畑から顔を出すチューリップの姿を想像すると、何となく“寒くない?”と心配してしまっていたが、まさかこの雪が布団の役割を担っていたなんて~。スゴ~い。発見∞∞∞!!!!

 

戦中には、球根栽培どころではなかった。
それでも水野豊造さんは、富山のチューリップを守るべく様々な苦労と試行錯誤を続けた。
美しい花の陰に隠された先人たちに思いを馳せ、と同時に、水野さんのチューリップへの情熱は、今もしっかりと砺波市のチューリップ球根生産者の方々に受け継がれているコトを強く感じた。

 

現在、富山生まれのチューリップは、およそ400品種あるといわれている。
その多くには、「和」の名前がつけられているのが特徴的だ。
例えば、淡いピンクの花弁が印象的な「初桜」、ユリ咲きの凛とした雰囲気を持つ「楊貴妃」、葉に入る黄緑の筋が面白く、まさに春の息吹を感じる「いぶき」などなど、実に良く出来たネーミングだ。

 

そもそもこのネーミング、誰がつけているのだろうか?

 

フトした疑問に、富山県花卉球根農業組合の藤岡昭宏さんが答えてくださった。
「かつては、開発者が思い思いの名前をチューリップにつけていたんです。そうすると、どうしてもお孫さんの名前などを付けることが多くなるんです。
でも、それじゃー、県外や世界へアピールしづらい。
そこで、花から感じられるイメージで名を付けるようになったのだそうだ。フムフム。

 

また、十分カラフルな色合いのチューリップだけど、ただ一色、“ブルー”のチューリップを見ていない気がした。
「たしかに、コバルトブルーのような青いチューリップは今のところ、存在していないんです」と藤岡さん。
しかし、青いチューリップ作りの研究は着実に進んでいるとか。
夢のブルー・チューリップが見られるのも、そう遠くはないのかも!?期待大!

 

「ところで、チューリップって球根しかないと思っていません?」
突然の藤岡さんから問いに、タジタジするワタクシ。
「チューリップにもちゃんと種があるんですヨ」と藤岡さん。
しかし、種から育てた場合は、花が咲くまで5年ほどかかるのだそうだ。
そこで、ワタクシたちがチューリップを育てようと思ったら、手っ取り早い球根を使うというワケ。
はぁ。改めて、チューリップって奥深い。
知らないことだらけだわぁ~。

 

 

 





「チューリップフェア」の企画を担当している高畑元昭さん





目から鱗、魅力溢れるチューリップだが、ゴールデンウィークのこの時期は
まさにチューリップ畑の絨毯のような風景を楽しむことが出来る。
それが、4月25日~5月6日まで開催の「2012となみチューリップフェア」。
この「チューリップフェア」の企画を担当している高畑元昭さんによると、「チューリップ四季彩館」に隣接する「チューリップ公園」では500品種100万本以上のチューリップが迎えてくれるそうだ。
この時期は毎年、全国から30万人が訪れるほどの盛況ぶり。
特に目玉は、チューリップ地上絵。
今年のテーマは「笑顔とハート」なんだそうだ。 

 

 


 

 

 

私が取材した際は、まだ葉っぱ状態。(↑)
でも、この広大な土地にチューリップが咲き誇るさまは、想像するだけで鳥肌もの!まさに花づくしのこの時期、行・き・た・い。

 

「2012となみチューリップフェア」の詳細はこちら。

ちなみに、こちらで購入したチューリップも、我が家のベランダで咲き誇っておりますヨ。 

 

 



中田家のチューリップ

 



吉武家のチューリップ

 

 

さて、「チューリップ四季彩館」を後にし、続いて向かったのは、大門地区。
私自身、幼い頃から親しんでいる「大門素麺」が生産されているこの地区には、どうしてもお邪魔してみたかった。
砺波名物の「大門素麺」は、丁寧に手延べした素麺で、その特徴は
2メートル近い麺を丸まげ状にまとめたカタチだ。
となみ野農業協同組合、大門素麺事業部の山本剛さんに詳しく伺った。

 

 

 


となみ野農業協同組合、大門素麺事業部・山本剛さん

 

 

大門素麺は、稲作農家の冬季間の仕事として、四季の中でもっとも寒い11月から翌年の3月までのみ作られているそうだ。
作業は、深夜から始まり、夜通し行われる。
小麦粉を何回もこねては合わせることで、きめが細かく、ネバリが強くなるのだ。
この伝統の製法を守り、繰り返しながら、麺を細く長くのばしていくそうだ。
そして、半乾の長いまま丸めて和紙で包むのだ。

 

今回は、山本さんの案内のもと、実際に生産している黒田さんの工場をお邪魔させて頂いた。

 

ちょうど昨日で生産を終えたという奥様の顔には、どこか安堵の表情が浮かんでいたのが印象的だ。
そしてスタッフの女性たちがまさに出来たての麺を手早く和紙で包んでいる。
こういう光景を拝見すると、人の手から手を渡って作られるこだわり、そして生産者の真心を強く感じる。
まさに伝統の逸品だ。

 

 

 








 

工場見学を終えた後は、黒田さんの麺を頂けるという「麺食堂 川なべ」さんを訪ねた。
早速、素麺を茹でて頂く。

 

「コレコレコレ!幼い頃からずっっっと食べてるんですヨーーー」と何故かスタッフに向かって得意気な表情のワタクシ。
早速、茹でたて麺をツルツルツルッっといただく。
タマラナイーーーー。ウマーーーーイ!
この「コシ」と「歯ざわり」が身上なのだぁ。
たんまり堪能させて頂き、大満足の旅となった。

 

 

 

 

 

今回の旅を通して、富山に住む人々の勤勉さ、我慢強さのようなものを垣間みた気がした。
春になると、見る人のココロを揺り動かすチューリップの花々。
でも人々の目に触れるまでの経緯を想像すると、そこには、丹精混めて球根を育て、厳しい冬のあいだも球根を見守り、極寒の季節を乗り越えてきている生産者の方々の努力がある。
生産者の水野さんと仙道さんに「チューリップは好きですか?」という愚問をぶつけてみた時のコト。
お二人笑いながらも、「正直、春は憂鬱なんだ。忙しいから」なんておっしゃっていた。でも、「畑一面にチューリップの花が咲き誇った瞬間は、なにものにも代え難い感動があるよ」って。

 

一方、寒い冬の間中、日夜素麺作りに励む生産者の方々の努力も並大抵のことではない。
それでも黒田さんの奥様はサラリとこうおっしゃった。
「大変じゃないといえば嘘になるけど、毎年のことだもの」

 

まさに“匠の技”だ。

 

磨き上げられた技術と、そこに最先端技術をプラスして。
そして仕上げは、そう、魂のこもった熱き人々の思いなのだ。思いを添えて、はじめてチューリップは大輪の花を咲かせるのである。

 

実り多き旅になったことに、感謝しつつ・・・。

 

 

 

残念な2人(作家:ミラクル吉武・旅人:中田美香)

 

 

 

【プレゼント情報!】

「チューリップの花束と大門素麺」のセットを5人の方にプレゼント!

 

 

 

応募方法は…お聴きの放送局またはYAJIKITA HPのメールからお願いします。

当選の発表は発送をもってかえさせて頂きます。