東京発どこいくツアー 本郷編|旅人:井門宗之

2012-07-25

 

東京発どこ行くツアー ぶらりマップ

 

 

山手線最終回の余韻も冷めやらぬ中、
先週の宣言通り今回からは「新企画」の始まりなのである。
あぁ、でもあんな宣言しちゃったからリスナーさんは過度の期待をしているのではないか。 


ひょっとしたら「激辛放浪記」が始まるのでは…、 


もはや鈴木さんレギュラーで獲得したのでは…、
…そんな風に期待しているのではなかろうか。
井門Pはそんな事を考えながら、
この新企画発表にずーっと脅えていたのだ(10分ぐらいね)。
しかし何を案ずる事がありましょうや!?
我々は今までどんな旅番組もやらない「音」を活かす手法で旅をしてきた老舗!
どんな企画となろうとも、耳で感じる旅番組のスタンスは、変わりはしない筈なのです。
北の街から南の街まで、素敵な夢を届けます!(どこかで聞いた)
日本全国はたまた世界まで旅をしてきた番組なのであるっ!!
えっと、それで…何だったっけ?
あぁ、新企画のタイトルだ。
それでは発表いたします!新企画のタイトルは…

 

東京発どこ行くツアー!!
“東京どこ行く”と覚えてね!

 

はいはい、分かりますよ。
何だい何だい、タイトルに全てが現れてるぢゃねぇか!と、そう言いたい?
ひねりは無いのかと、そう仰いますね?分かります。
我々も様々な企画を考えたのですが、
山手線をやっていて一つ気付かされた事があるのです。それは、

 

おいおい、東京の街って面白ぇじゃねぇか!って事。

 

山手線はぐるっと回る路線で(グルっと!)、
その街の点と点を結ぶ事は出来るのですが、
東京は御存知の通りもっと沢山の魅力的な街があるのです。
言うなれば空から東京を俯瞰した時に、
もっとベタっと塗りつぶして歩いてみたいよね、という。
もっともっと東京の街の魅力を探して行こうよ、となったわけです。

 

ん?もっともらしい事は言ってるけど、「東京発」が分かんねぇよ、って?
実はこの「東京発」にもちゃんと意味があります。
東京の一大ターミナル駅と言えば、そう東京駅。
この東京駅を毎回スタート地点にして、
ここから旅をスタートさせてみようじゃないか!?と。
それでこそ、東京の街を旅している感が出るだろう、と。
地方から新幹線で来る皆さんも、
きっと東京・上野・品川で降りる筈。
だとすれば、東京駅から主要な観光の街までどんなルートで行けるのか、
これをなぞる事は意外と重要なのではないかと、我々は考えたのであります。

 

さて、前置きがアレしてしまいましたが、
肝心の第一回の「東京発どこ行くツアー」はどの街に向かうのか!? 


最初の駅は…本郷三丁目駅!!
東京駅からだと東京メトロ丸の内線で約10分の本郷界隈。 


ここに白羽の矢が立ったのは…東大があるからに決まっている!!
日本の最高学府:東京大学があるこの街は文豪・文士も数多く住み、
街自体に非常に歴史があるのでございます。
という訳で、東京駅丸の内口方面で元気に挨拶をして、いざ出発!

 

 

 



 

 

本郷三丁目と言うと…駅前から東大赤門までの通りにはラーメン屋さんも多く、
美味しいパン屋さんやカレー屋さんも多い。
(ハンバーガー屋さんだよ!という人も…) 


あとは…あとは…あれ?
結構、本郷界隈を知っていた気になっていたけど、案外知らなかったぞ。
っていうか脇道に入った事が無いかもしれない…。
という訳で最初は本郷界隈、というより文京区の歴史を知るべく、 


文京ふるさと歴史館】に向いました。

 

 

 





 

 

まさに住宅街の路地を抜けた場所にあるこちら。
公式HPによると館の成り立ちについて以下の様に書かれている。

 

「平成3年(1991)4月開館。
文京区は弥生土器命名の地として知られるとおり、
古くから豊かな歴史をもっています。
江戸時代には武家と町人が暮らし、
独特の産業や文化を形づくってきました。
明治時代には東京大学をはじめとする多くの学校がつくられ、
さらに森鴎外や樋口一葉など著名な文人たちが活動の拠点とし、
文教のまちの礎を築きました。
文京ふるさと歴史館では、文京区の歴史や文化財をあらゆる世代の方に伝え、
触れてもらい、郷土に対する愛着や関心を深めるお手伝いをいたします。」(HPより引用)

 

 

 





 

 

館内の案内をしてくださったのは川口明代さん
2階にある畳の部屋でお話しを伺った(笑)

 

 

 

川口明代さんに話を伺いました

 

 

川口「地図を見て戴くと分かると思いますが、この辺りは坂が多いでしょう?」

 

井門「そうですね、江戸時代の古地図にも坂の名称が書かれていますが、どれぐらい?」

 

川口「これが大体115くらいあるんですよ(笑)」

 

 

 





 

 

 

そうなのだ。
東京で暮らしている方にとっては本郷の辺りが坂の町なのは、
意外と知られているのだが…それにしても115とは。

 

 

川口「坂の名前も江戸時代から続いています。
それを今も呼び続け、更に未来にも受け継いでいくのは何だか素敵ですよね?」

 

井門「おぉ…川口さん、何とロマンティックな事を仰る!!」

 

川口「その他にもこの本郷や文教のエリアは100人以上の文人達が暮らしていました。
それこそ教科書に出てくる様な錚々たる顔ぶれだったんですよ!」

 

 

 





 

 

現在の文京区の辺り、
はっきり言って江戸時代は町外れの扱いだった。
ところが明暦の大火以降、本郷・小石川に神社仏閣が移され、
街道や上水道も整い、徐々に村から町へと姿を変えていったのだという。
そして明治期に入って、東大や出版社があった事もあり、
文人達がこのエリアに暮らすようになったのだ。

 

 

川口「今もその名残はあって、皆さん回られるのですが、
あくまでもこの町で暮らす方々の生活圏の中だという事をお忘れなく。
皆さん、普通に暮らしていらっしゃいますので、回る時はお静かに願います。」

 

一行「もちろんです!それでは我々も当時を偲ぶ為に、ぶらりしますか!」

 

 

文京ふるさと歴史館を出ると、我々は早速急な坂に出た。 


その名も【炭団坂】。
坂の上には坪内逍遥が住んでいたと言うが、
この坂なにぶん急過ぎて転げ落ちる人もいたそうである。
そんな坂の上に住むなんて、相当な変わり者だったのかもしれない…。

 

 

 





 

 

文豪・文人たちが数多く暮らした菊坂のあたりに出た一行。
坂のアップダウンが多くておじさん達は進むごとにその歩みが遅くなる。
うっかりすると、角の酒屋で冷たいビールを…とか言い出しそうな雰囲気だ。

 

 

コバヤシ「でもさ、ここの空気を吸っていると頭良くなる気がするでしょ?」 


井門「確かにそうですね、将来お札になれるかな!?」

ゴル「なれねーよ!
*今度のぶらりはゴルッチのパンチが効いてるぜ!

 

 

川口さんのお話しにもあったが、今も数多くの方が暮らしているこのエリア。
まさに住宅街の中を突然、当時の歴史を語るプレートが出てきたりする。

 

 

 


樋口一葉が通った旧伊勢屋質店


宮沢賢治が下宿した宮沢賢治旧居跡

 


文豪・文士が出入りした菊富士ホテル跡


石川啄木が下宿した赤心館跡

 

 

 

井門「そう言えば商店街だから、普通にクリーニング屋さんとか、酒屋さんとかあるもんね。」
コバヤシ「ここも東京の下町感が物凄く出てるよね。」 


井門「あっ、あそこのお肉屋さんに“菊坂コロッケ”って書いてある!」

 

 

商店街には付き物の精肉屋さんの肉系お惣菜!
揚げたての魔力には敵わない…という事でチームYAJIKITA一丸となってかぶりつき!

 

 

 



 

 

お店のおじさん、おばさんに麦茶を御馳走になり、談笑しながら休憩終了!
更に先を進んで行くとまたもや気になる看板が!

 

 

 



 

 

狭い路地の(ここも坂になっているのだが)途中に、

何やら沢山の金魚の水槽がある…いや、金魚池まであるじゃないですか!?

 

 

 





 

 

あれ、でも喫茶店の看板と店の外にメニューがあるぞ…。
定食?煮魚?ま…まさか…金魚を!?
いや、そんな訳がない。しかもかなり旨そうな料理達が並んでいる。
もうこれは入ってみるしかないでしょう!突撃~!!

 

 

 



 

 

入口は中階という不思議な作りで、ちょっと階段を上がる座席、
そして少し深めに階段を降りていくと、また席が現れる…という造り。

 

 

 





 

 

下の階(グランドピアノも置いてあるよ)で我々は、
代表の吉田智子さんにお話しを伺った。

 

 

 

金魚坂の代表、吉田さんにお話しを伺いました

 

 

吉田「もともとウチは創業350年の金魚屋なんです。」

 

井門「サラっと言いましたけど、凄い歴史ですよね!?
喫茶店は何年から営業されているんですか?」

 

吉田「喫茶店は2000年から。
料理も何も全て知り合いのプロがやってくれて…。
皆の力が集まって、この店が出来たんです。」

 

井門「お店の形状が少し変わっていますよね?」

 

吉田「実はいま座っている場所も金魚水槽だったんです。
でも喫茶店をやるってんで、1個潰して。
だから水槽の深さの分、店も道路の面からかなり深くなってるでしょ?(笑)」

 

 

吉田さんは話しをする時、ずっと笑っていた。
この明るさが人を集めるんだろう。
*お着物も美しかったです。

 

ちなみに吉田さんの御厚意で外の水槽で金魚すくいにチャレンジ!

 

 

 





 

 

結果はたった1匹しかすくえず。
挙句の果てにコバヤシ氏からは…

 

 

コバヤシ「井門くんさ、1匹すくうのに尺取り過ぎだから。」

 

井門「ショボ━━━━(´・ω・`)━━━━ン

 

 

親分に金魚すくいについてアレされたことろで…。 


ぶらりしながらついに最終目的地の東京大学赤門へ!!

 

 

 



 

 

井門「懐かしいなぁ…俺が卒業した時と変わってねぇや!」

 

ゴル「お前、2浪して明治だろ!」
*パンチが効いてるぜ!

 

 

そうそう“赤門”って、やっぱり赤いんですよね。
かなり有名ですけど、ちなみに正門ではありません。
そしてこの格式、国の重要文化財に指定されております。
我々は赤門をくぐり、キャンパス入ってすぐ左にあるとある施設へ。 


ここが東京大学コミュニケーションセンター
なんと東大で研究された知識を活用したグッズを販売している場所なのだが…

 

 

 



 

 

店内はかなりの人で賑わっている。 


今回お話しを伺ったのは店長の三浦宏予さん

 

 

 

店長の三浦さんにお話しを伺いました

 

 

井門「色んなグッズを販売していますが、あれ?レジは学生さんが??」

 

三浦「はい、学生がスタッフでやってます。」

 

井門「人気の商品はなんですか?」

 

三浦「ズバリ、体力式乾杯式アミノ酸です!」

 

 

いったいどういう事なのか?
アミノ酸って言われても…と思った方に御説明を。
東大ではサプリメントとしてのアミノ酸の研究を長らく続けてきた。
最初は競走馬でアミノ酸の栄養効果の実験を行い、見事成功!
それが徐々にスポーツ選手にも取り入れられる様になり、
最終的にその研究をもとに、誰もが手軽に摂り入れられる、
「体力式」「乾杯式」の2商品のアミノ酸を販売する運びとなったのであります。

 

 

 



 

 

 

三浦「お酒をよく飲まれるのであれば、乾杯式がオススメです!」

 

井門「東大の研究が僕の飲酒に摂り入れられるなんて、何だか光栄です!」

 

 

…なんか意味が違うような気もするが、
この乾杯式アミノ酸、実際に使うと分かりますが…かなり良いですよ(笑)
こちらでは他にも泡盛であったり、世界震源地図であったり、
手軽な物ではTシャツなんかもデザインが可愛らしい。

 

 

 





 

 

井門「ここは誰でも入れるんですか?

 

三浦「はい、勿論です!
赤門も躊躇しちゃう方がいらっしゃいますが、どなたでも入れますよ!
ただ校舎の中や各部活動に関する場所はNGです。
またキャンパス内を歩く際はお静かにお願いします。」

 

 

 



 

 

 

東大は広い。
コミュニケーションセンターなんて新しい施設もあれば、
安田講堂なんて歴史ある建物もある。 


我々が最後に向かったのは、かの有名な三四郎池

 

 

 





 

 

この池は夏目漱石の三四郎にゆかりのある場所だが(だから三四郎池ね)、
正式名称は「育徳園心字池」と言いまして。
江戸時代に加賀藩が作ったものなのです。
実は本郷キャンパスの大部分は加賀藩の上屋敷だったんですね。
それが今では日本の最高学府になっている。
この池からの眺めも、ひょっとしたら変わらないものなのかもしれません。

 

 

 



 

 

 

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暮らしていても、知らない景色がある。
毎日見ていても、名前も知らない場所がある。
よくよく考えてみると、これってとても勿体ない事。
僕らはこれからこの新企画「東京どこ行く」を通じて、
東京マスターになろうと思うのです(大きく出たな)。
そしてこの気持ちは、皆さんにも伝播して欲しいとも思うのだ。

 

 

自分が暮らしている街を知ろう。
自分の暮らしている街を好きになろう。

 

 

東京どこ行く?
次は、どこに行こうか?