400年の伝統!夏の郡上おどり|旅人:服部好伸
2012-08-16
お久しぶりです!今回の旅人は、
自然に囲まれ、自然体で大きくなったお祭り男、岐阜県岐阜市出身、服部好伸です。
今回は、「400年の伝統!夏の郡上おどり」ということで、
岐阜県郡上市にやって来ました。
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全国的にも有名な「郡上おどり」ですが、実は私、
地元でありながら「郡上おどり」を現地で参加したことがなかったのです。
実家がある岐阜市内からは、車で1時間もかからずに行ける距離なのに、
一度も参加した事がないなんて・・・。お恥ずかしい限りです。
でも、子どもの頃、近所の盆踊り大会では、
「郡上おどり」で踊られる“春駒”や“かわさき”が必ず流れていて、
とてもなじみのある物でした。確か、小学校の運動会でも踊った記憶があります!
そんなこんなで、テンション高く旅に出かけました!
中部地方は、何と言ってもトヨタ自動車のお膝元。
ということで、トヨタカローラ岐阜の協力を得て、
今話題のプラグインハイブリッド「プリウスPHV」をお借りして、郡上八幡へ出発〜〜!
小回りも利くし、静かだし、荷物もたくさん乗せられる!街乗り用には最適ですね〜!
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車を停めて、まずお話を伺ったのは郡上八幡産業振興公社の畑中さん。
郡上おどりは400年の歴史があり、
何よりも「見るおどり」ではなく「踊るおどり」といわれています。
地元の人はもちろん、全国から集まった人たちが“参加する”踊りなのです。
7月中旬から9月上旬まで、およそ30夜に渡って行われる、
日本一のロングランの盆踊り!これは参加しなくては!!
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さて、「郡上おどり」に参加するためにやってきたわけですが、怠け者の私は、
“荷物を持つのが嫌”という理由だけで、手ぶらでやって来てしまいました。
しかも! Tシャツ、ジーパン、スニーカー姿・・・。全くお祭りの要素なし!!
しかし、よく考えて下さい!
「突然郡上おどりに参加しよう」と思い立つ人だっているはずです。
そんな人たちも郡上の街は温かく迎えてくれます。
まずは浴衣を手に入れるべく、期間中レンタル浴衣を行っている「石山呉服店」へ。
老舗呉服店の女将さんは、郡上おどり保存会の会員の方でもあります。
お話を伺っている最中も、お店の電話は鳴りっぱなし!
お客さんから予約の問い合わせが殺到しています。
浴衣選びから着付け、おどりが終わった後はそのままお店に返すだけ。便利〜。
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ご挨拶も早々に、2階へ上がり、私の浴衣選び!
基本的に、「白」、「黒」といった原色好きの私は、白を基調にした浴衣をチョイス!
しか〜し、郡上おどり保存会の先生方は、
白の生地に紺の柄、そして赤の帯と決まっています。
「この色だと保存会の先生に間違えられるかもよ」と石山さんから指摘を受けましたが、
お調子者の私は、「大丈夫ですよ!何なら僕が皆さんに踊りを教えてあげます」
と発した所、「ダメ!!」と本気で怒られてしまいました・・・。
そんなわけで、石山さんが選んで下さったのがコレ!左右ツートンという派手な柄。
これに見合うようにちゃんと踊れるのだろうか・・・。
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ここで余談ですが、着付けをしてもらいながら石山さんと雑談をしていた所、
なんと!石山さんの娘さん、私の高校の同級生でした!!世間は狭いですね~。
これぞリアルFACEBOOK!?
旅の帰り際、実家に立ち寄って、高校の卒業アルバムをチェックしてしまいました!
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さて、浴衣を手にした私ですが、まだまだ郡上おどりに向けては不十分。
何より、素敵な浴衣に身を包んでいるのに、足元はスニーカー・・・。これは恥ずかしい!
ということで、「杉本履物店」でオリジナルの下駄を手に入れましょう!
何がオリジナルかと言うと、下駄の素材、形を選び、鼻緒の柄も好きな物を選べます。
そして何より大切なのが、自分の足のサイズ、形に合わせて、
その場で鼻緒を取り付けてもらえます。
派手な浴衣に合う鼻緒を選んでもらって、見事郡上おどりスタイルに変身できました!
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郡上おどりは午後8時スタートなので、まだ少し時間があります。
そこで、「郡上八幡博覧館」に移動して、郡上の町やおどりの歴史を勉強しましょう!
初めて郡上おどりに参加する人でも、事前に踊りの説明、実演を見ることができます。
どんな曲で、どんな歌で、どんな雰囲気で踊るのか、事前に勉強できます。
郡上おどりは、実は10種類も存在します。
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「かわさき」、「春駒」、「げんげんばらばら」、「三百」などなど・・・。
踊りの歴史や、歌の意味など、非常に奥が深いものです。
振り付けにもちゃんと意味があって、例えば「かわさき」。
冒頭の動きには、“月を見て、お城を見て”という意味が存在するのです。へぇ~~。
いくら歴史を勉強しても、踊れるようになるわけではないですね?!
郡上八幡産業振興公社の畑中さんに伺うと、
毎回、おどり上手の人には「郡上おどり保存会」から免許状がもらえるという
「免許皆伝」というシステムがあるとのコト。
地元出身者としても、お祭り男としても、手ぶらで帰る訳にはいかない!!
ということで、「郡上おどり教室」に参加。
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ここでは、保存会の先生が直接踊りを指導してくださいます。
手の角度、足の運び方、リズムの取り方など丁寧に教えてくださいます。
慣れている人は、なんとなく“自分流”になってしまいがちですが、
“正しい踊り方”を習得することができます。
もちろん、免許をもらうためには、この正しい踊りが必要なわけです。
およそ40分間、ミッチリと練習を重ね、いざ本番へ!!
今回の会場は、郡上八幡城へ向かう中腹にある「城山公園」。
到着すると、すでに多くの方が集まっていました。ざっと1000人以上。
「見るおどり」ではなく「踊るおどり」と言う通り知っている曲が流れたら、
その場で輪の中に入っていくというスタイル。
知らない曲でも、輪の中心には保存会の先生方が踊っているので、
真似をしながら踊りを覚える事もできるのです!!
そしてポイントは、演奏。
輪の中心にはヤグラが組まれ、その中で全ての曲が生演奏しているのです。
しかも、選曲や曲を変えるタイミングも演奏者次第。
踊り手の様子を見ながらその場で判断していくのです!クラブDJみたい!!
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輪の中心で、周りの様子を見ていると、「春駒」のイントロが流れてきました。
こどもの頃から、近所の盆踊り大会で慣れ親しんだ、私の大好き且つ得意な曲です。
ここぞ!とばかりに、保存会の先生方に混ざって、輪の中央で踊り出しました。
すると・・・。あれっ?隣には郡上市長がいらっしゃるではありませんか!!
市長と一緒に踊ることが出来るなんて、感動です。
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すぐに汗だくになり、気持ちよく踊っていると、いよいよ「免許皆伝」の課題曲へ!
課題曲は、その日突然流れてきます。10種類ある中で、7種類が免許皆伝対象曲。
その中から、保存会がランダムに選んで、
その日の午後9時、アナウンスと同時に審査が始まります。
今回は「げんげんばらばら」が対象曲でした。ラッキー!!
なぜなら、先の「郡上おどり教室」で習っていたのです。
免許をもらうため、保存会の先生の目にとまるよう、
輪の中心に入っていって、大きく目立つように一生懸命踊りました。
毎回、多くても30名しか選ばれないという貴重な免許皆伝。
保存会の先生に認められると「木の札」が渡されます。
これを持って本部に行くと、その場で立派な免許状が渡されるわけです。
果たして私の結果は・・・・・・見事、免許いただきました~!!!
その場で名前も入れていただいて、額も購入して、我が家の宝にしようと思います!
免許は全てで7種類。コンプリートするには、郡上おどりに通う必要がありますね!!
初めて郡上おどりを体験してみて感じたことは、やはり「参加すること」、「踊ること」。
街の人も、保存会の先生方も、隣にいる見知らぬ人も一緒になって踊る。
これこそ「郡上おどり」そのものです。気持ち良い時間はあっという間に過ぎていきます。
誘惑に負けてしまう日頃のダイエットよりもよっぽど効果的で、健康的だと思います。
会場にいる人全員が汗をかきながら踊っている姿は圧巻!何より皆笑顔なのです。
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郡上おどりは今シーズンもまだ9月上旬までやっています。
ぜひ一度体験してみてください。免許もらっちゃって下さいねぇ。
お盆の時期には、4日間午後8時から翌朝4時まで開催している「徹夜おどり」。
これを体験したいという人は、練習を重ねて、来年のお盆を狙ってください!
いや~、しかし免許もらえてよかった。。。
これで手ぶらだったら何を言われるかわからない・・・。
一日かけて郡上おどりを勉強して、練習して、たくさん踊って、免許をもらって・・・。
宿に帰ってまずした事はお風呂!汗を流してスッキリした後は、プハーーッ!
この一杯がいつも以上に美味しかったのは言うまでもありません!!
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